コツメの母さん。今日は何かやってみよう。

日々の出来事を書いていこうと思います。家族は私、夫(コツメの父さん。)、長女(ピヨ姐・社会人)、次女(コツメちゃん・高校1年生)の4人家族です。

ブスの呪文にかけられた娘

こんばんは。

 

コツメの母さん。です。

 

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あるところにピヨという女の子が住んでいました。

ピヨは時々ためいきをつきながら

 

「あぁ、どうして私はブスなんだろう。どうしてかわいくうまれなかったんだろう。」

 

と母の前で呟くのでした。

 

母はその度、

 

「そんなことないよ。ピヨはかわいいよ。」

 

と、なぐさめたり、はげましたり、ほめたりするのです。

でもそんな母の言葉はピヨの耳、いや、心には届きません。

 

じっさいピヨは超絶美人ではありません。でもひよこのようなかわいい顔をしています。(してると思います。)巣からおっこちてよたよたしているヒナにも似ています。

 

ある日、いつものようにピヨはためいきをつき、同じ言葉をいいました。すると、とうとう母が悲しそうにいいました。

 

「ピヨはかわいいのに、そんなに自分のことをブスだって言って、もっとかわいく生まれて来たかったなんていうの?それって私が責められているような気持ちになる。」

 

母はその言葉が口から出てしまうと今度はだんだん腹がたってきました。

 

「自分が今とても幸せだということに気がつかないの?」

 

でもその言葉って乱暴だとも思い、母は「ハッ」としましたがもう後戻りはできず、ちょっと静かになってしまいました。

 

するとピヨは言いました。

 

「私だって、前よりは頑張っているんだよ。がんばって最近はスカートだってはくようになったんだよ。」

 

母は「へ?」と思いました。そして初めて知ることになったのです。

 

そういえばピヨは大学の入学式もパンツスーツを選んでいました。

入学後はインカレサークルにも入りました。男女問わず友達ができたピヨが見せてくれた夏合宿の写真を見た時、友達や先輩がゆるふわなトップスにスカートのなか、ピヨはTシャツにジーパンでした。

私が「ピヨちゃんもこんな服着てみたらいいのに。」というとピヨは「私はTシャツにパンツの格好が好きだんだよ。」と言っていました。

好きなのは本当なのです。

 

秋になり、何かの折にスカートをはく機会もあるだろうと思い、私が勝手にスカートを買ったこともありました。

少しチャレンジする気持ちになったのか気持ちに変化があったのか、スカートをはいて学校にいくことも増えてきたのです。

私はそんなピヨを見てちょっと女の子らしい服装も好きになってきたのかな、と思っていたのです。

でもそれが勇気のいることだったことは知りませんでした。

 

ではどうしてスカートをはくまでにこんなに勇気がいったのかというと…。

理由をつい最近話してくれたのです。

 

ピヨは小学校の時に男の子から

「ブス」

と言われたこと、

「かわいい服を着てるけどお前には似合わない」

と言われたこと、

教室から教室へ移動している途中に背中をすっと触られ、

「キモいの触っちゃった」

と言われたこと…

 

その言葉や出来事が、背中がすーっと寒くなるくらいショックでそれが忘れられないのだそうです。話しながらピヨ姐はもう何年もたっているのに目をうるうるさせていました。

そう、ピヨはブスの呪文をかけられたのです。

 

それ以来、男子が嫌いになった。

かわいい服を着るのが怖くなった。

 

しかも小学校を卒業した後、ピヨは私立の中高一貫校(女子校)に進んでしまったので、男子がいやなやつのままで止まってしまっているのです。

そしてブスの呪文は継続したまま…。

 

それでも大学生になってサークル活動を始めると、男の子が優しいことに気がつき「あれ?」と思ったそうです。

そして男子の友達もできて、いっしょにグループを組んだり、カラオケや飲み会にいったりできるようになりました。

それでも自分をほめてくれる言葉は受け入れられないのだそうです。

呪文の効きが強すぎます。

 

誰がブスの呪文を解いてくれるんでしょう…。

 

ブスって言った男子が娘の前に現れて謝ってくれることでしょうか。

これから出会う男の子がピヨを褒めて、肯定してくれることでしょうか。

 

それもきっと効果があると思います。

 

でもブスの呪文を完全に解くのは結局ピヨ自身なのだと思います。

ピヨが自分のことを好きになることなんだと思います。

 

ピヨの母はどうしたらいいのでしょうね。

なにか手伝えることがあるといいのだけど。

結局は話したいときにゆっくり聞いて、見守るしかなさそうですね。

 

このお話はどう続いていくのでしょう。

とりあえず、おしまい。

 

写真は3、4歳だった頃、白雪姫が大好きだったピヨです。

あの頃は自分がプリンセスになれる、いや、プリンセスだくらいに思っていたと思います。

その頃の自信よ、戻ってこい。

 

コツメの母さん。でした。