こんばんは。
コツメの母さん。です。
今朝の朝ドラ「半分、青い。」
『漫画家として才能が枯れ果ててしまった主人公のすずめはとうとう師匠の秋風先生に漫画家を引退することを告げました。
すずめの住まいは秋風先生の仕事場兼自宅の豪邸のとなりにある古い平屋の和風家屋(通称 秋風ハウス)でしたが漫画家をやめることになったので長年住み慣れた思い出深い部屋をあとにします。
秋風先生にはすずめを入れて三人の弟子がいましたが、すでに二人は秋風先生の元を離れていたので、とうとうすずめを最後に弟子が全員いなくなってしまいました。
すずめが出て行った日、秋風先生は目を赤くしてペンをとると、仕事場の大きな壁に描いてある自分の漫画の主人公の隣に飛び立つ3羽の鳥の絵と主人公の女性シンガーの頬に涙を描き足すのでした。』
「半分、青い。」を見て、「これは斬新!」と思ったのが天才漫画家の秋風羽織先生の書いている漫画全てが実際にある本物の漫画だったことです。
ドラマにでてきた漫画の単行本も実際の単行本とまったく同じなのですが、名前のところが「秋風羽織」になっていました。
本当は「くらもちふさこ」先生です。
単行本や本物そっくりの原稿もドラマにちょいちょい出てくるので本当に楽しみでした。
秋風先生の仕事場の一番目立つところに一枚の壁画があります。
ドラマでもたびたび映るのですが、その絵はくらもちふさこ先生の「糸のきらめき」という作品にでてくる主人公なのです。
この作品は1977年に描かれたのですが、私が初めて読んだくらもちふさこ先生の漫画がこのお話です。
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その内容が今日のドラマとリンクして余計に泣きそうになりました。
「糸のきらめき」の主人公は女性(あーや)ですが、あーやは天才的な音楽の才能にめぐまれながら、幼い頃に受けた不幸な出来事のせいで心をとざしていました。孤独だった彼女がシンガーの才能を見出され、いつしか愛する人もできるのです。
でもその愛する人とはお互い同じ気持ちでありながら別れることになるのです。
それでもあーやはシンガーとして大きく成長していくというストーリーです。
それが秋風先生とリンクしているような気がしたのでした。
秋風先生は天才が故にすべてを漫画を描くことにささげたため、人を愛しませんでした。でも三人の弟子をとり、いっしょに時間を過ごしていくうちにいつしか三人の弟子を大切に思うようになっていったのです。
その三人との別れ。そしてまだまだ漫画家として第一線の秋風先生。
秋風先生は静かに三人を見送るのでした。
なんだか秋風先生が壁画の『糸のきらめきの主人公、あーや』になったような気持ちになりました。それで二重に切なくなってしまったのです。
そのことをコツメの父さんに「糸のきらめき」のストーリーを説明しながら話したのです。そうしたら
「え?でもその糸のきらめきの漫画は恋人と別れるけど、秋風羽織は結婚もしてないし恋人もいなかったよね。」
っていうのです。
私は
「だから、恋人ではないけれど、”愛する人を失った”ことは共通しているし、類い稀なる才能に恵まれて万人に愛されながらも孤独っていうところも同じだと思ったんだよ。」
と言いました。
コツメの父さん、ものすごく正確性を求めちゃうのでなんというかこういうやんわりというか雰囲気というか、そういう人の心の機微みたいなものを感じ取れないところがあるんです。
伝わらなくてちょっといらってすることがあるのですが、私がそう感じただけで違っているかもしれないし…
コツメの父さんも「半分、青い。」にハマっているので私の本棚からくらもちふさこ先生の漫画を見せようかと思いましたが、これが!ここが!くらもち漫画のすごいところ!を感じ取るアンテナが父さんにはない気がする…と思ってやめています。
コツメの母さん。でした!