こんばんは!
コツメの母さんです。
子供のころ、私が小学校2年生の夏休みの話です。
夏休みのある日、とあるお寺で飼育されていた虎が三頭逃げ出したというニュースが流れました。
私はそれが本当に怖くて、「もしも虎が家にきてしまったらどうしよう。」とびくびくしていたのでした。
近所にいた上級生の男の子にそのことを話したのですが、ゲラゲラ笑いながら
「もし虎が来たら?飼ってる犬と戦わせる!」
と言うのです。私はなんだかバカにされたような気持ちになりました。
母にいっても
「大丈夫。来ないよ。」
というだけでまともにとりあってくれません。
私はなんの根拠もなくただ「大丈夫だよ」という母を恨みました。
母はいつもそうだったのです。
なんの理由もなく漠然と私の不安に「大丈夫だよ」というだけなのです。
虎のことは私にとってものすごく重要なことだったのですがそれもとりあってもらえず、私の悩みが解消することはありませんでした。
昼間遊んでいる時は忘れていても、夜になると思い出してしまうのです。
毎日毎日虎はどこに行ったのだろうと一人恐怖におののいていました。
一月くらい経った頃でしょうか。
母親が
「コツメの母さんちゃん、あの虎、見つかったって。猟銃で殺されたってニュースで言ってたよ。だから大丈夫だって。」
と私に言って来ました。
私の恐怖の夏休みは終わりました。
大人になりふとあの夏の出来事を思い出し、「あれはどこのお寺だったのだろう」と気になり検索して見ました。
千葉県のお寺でした。
「え?千葉?どう考えても私の田舎まではこられない距離じゃん。」
と思いました。
なぜ私の周りの人は、
「そのお寺は千葉県というところにあるんだよ。ここから何キロも離れているから虎がコツメの母さんちゃんのところにくることはほぼないんだよ。だから大丈夫だよ。」
と言ってくれなかったのだろう。
そう言われたら私は1ヶ月も怖がらずに済んだのに。と思いました。
そういうこと、私と母の間ではたくさんありました。
なので私は子供にきかれたらできるだけ調べて答えることがくせになっています。
コツメの母さんでした。